信号が青になり、Dさんはわたしから身体を離して車を出した。
Dさんに触れていたくて、太ももに手をやる。
「ちょっと冷静に運転出来るか自信ないな…でも頑張るからそのままにしてて欲しい〜…」。

中華街で北京ダックを食べ、山下公園を散歩する。
我々は恋人なんだ、と思うとこのベタさが恥ずかしくなってくる。
「サキちゃん、明日会社お休みだよね」「うん」「今日さ、横浜で一泊していかない?どっかホテル探す」「わ、楽しそう」「明日の朝はさ、中華街でおかゆ食べよ。あのパンみたいなのついてるやつ」「あー最高だー」。
ファミリーマートで二人とも、無印良品の下着を買う。「コンビニでパンツ買うなんて何年ぶりだろう」「俺は結構買っちゃうんだよなー」「こういうお持ち帰りが多いからですか?」「いやいや、出張とかだよ!」。
ポテトチップス、チョコレート、お水、コーラとビールをかごに入れる。
Dさんが電話して予約してくれたホテルはニューグランド、一度泊まってみたかったのでとてもうれしい。

部屋に入って、カーテンを開ける。海が見えた。「海が見える!」そのままが口に出た。