Tさんがわたしの部屋に泊まった。

お昼過ぎに起きて、近所のカフェでサンドイッチとコーヒー。

隣の席にはお母さんらしき人と、ベビーカーの赤ちゃん。赤ちゃんがギャン泣きしてしまい、なかなか泣き止まない。

「おー、元気だ。世界の宝が泣いてるねぇ」とTさんが言うと、お母さんらしき人が「すみません、ありがとうございます」と、涙ぐんでいた。

お母さんらしき人が抱っこしている間は泣き止んでも、ベビーカーに寝かすとまた泣いてしまう。

「お母さん、ご飯食べられないですね。わたしで良ければ抱っこしてもいいですか」と思わず言ってしまった。

完全に出過ぎたことをした。こちらはもう食べ終わっているし、断られたらすぐにお会計をして出ればいいか。

一瞬でそんなことを考えていたら、お母さんが「お願いします」と即答してくれた。

生後半年の女の子。か、可愛い。お母さんの対面席に座り、赤ちゃんを受け取る。たった10分ほどだったが、わたしでも泣き止んでくれたのでほっとした。

帰り道、Tさんがぼそっと「俺も抱っこしたかったな」と言った。それはハードル高かろう。


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Tさんは仕事をしに自宅へ戻ると言っていたが「やっぱやめた」とわたしの部屋に一緒に帰った。

シャワーを浴びたついでにお風呂を洗ってくれていた。そういうところ、割と好きよ。

 

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