「立体駐車場のないイオンはイオンとは認めない」という名言を残し、彼は帰って行った。
ここは退屈迎えに来て』話をたくさん聞いた。何年か前までは東京にいた、彼。
とにかく都会を満喫したいボーイ(夜中なのに人がたくさんいる街をあてもなく散歩したい!)と、
とにかく車に乗せて欲しいガール(彼は東京まで車で来たので、ここぞとばかりにドライブに行きたい!)の、ぶつかり合い。
「俺は毎日毎日生活の為に運転してるんだーよぉぉぉ」。
うちに常備しているお水が彼が住むA県のものだと知り「俺は東京まで来てA県の水を摂取するのかよぉぉぉ」。
結局、ボーイの提案を採用し、ノスタルジーに殺されそうになりながら下北沢まで散歩(別名:走馬灯の予行練習)。
あーだこーだ言いながら“懐かしい街を歩くときの人の顔”をまじまじと記憶した。
彼がよく食べていたという王将の塩だれ天津飯を食べ、三軒茶屋に帰ってきた。
「なんか元気になりました」とぽつりと言われて、わたしは泣きそうだった。大げさに言うと、人間に戻れた気がした。
どうしても雪見だいふくが食べたくてスーパーとコンビニをはしご。熱いほうじ茶を入れ、兄弟みたいに一緒に食べた。

またいつでも遊びにきてね。