元恋人を雑誌などで見かけると、幽霊を二度見してしまうような感覚で読んでしまう。
「当時の彼女が」なんていう記述を見付けたり、
わたしと一緒に選んだ帽子をかぶっている写真が載っていたりすると、とても不思議な気持ちになる。
あぁ、恋人だったのは嘘じゃないんだよね、わたしの妄想じゃないんだよね、と。
本当の幽霊なら、二度見の時点で消えているはず。
わたしだけ、答え合わせが終わっておらず、愛の都合がついていない。
幽霊なのはわたしの方だ。