デートをした。
15時半くらいに待ち合わせをして、大きな公園をめざしてひたすら歩いた。
夕日がきれいに見える位置のベンチに座り、自販機でセブンティーンのチョコレートアイスとホットコーヒーを買い、一緒に食べる。
180㎝のがたいの良い年下髭メガネは、終始敬語で、それもまた可愛い。
こんな健全なデートがあるだろうか、と思ってニヤニヤしていたのもつかの間、階段を降りている途中で抱きすくめられ、割と強引にキスをされた。
愛は地球を救わないが、男の欲情はわたしを救う。男がわたしに向けた欲情に、わたしはすっかり救われた。
欲ではなかった愛だった。という訳にもいかないんだろうなと思いつつ、「手をつなぐより先にキスをするなんて何事か」と説教する。
「世田谷区にはそういう条例があるんですか!」「あるよ!」「すみません!」。
手をつないで、駅まで歩く。カフェに入ってコーヒーを飲み、わたしの予定がある時間まで、一緒にいた。

その後、【思い出しただけで滾ります】というラインが来て、笑った。