いつかの日記。
いまは死ぬには肌がピカピカで、職場には加湿器が導入されたので、咳もあまり出なくなった。
Aさんはちょうどよくなくなってしまったので、会っていない。
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あんなにも楽しかった●●●との時間が薄れていく。
思い出そうとすれば、鮮明によみがえるけれど。
肌は荒れているし髪もまとまらない。肉はつく一方で、生理も来なくてむくみがひどい。 いつもの靴で靴擦れを起こし、よそゆきの声を出そうとすると咳込んでしまう。
床には着たか着ていないか分からない服が散乱し、シンクには洗い物がたまっている。おまけにガス台からは2日前に焼いた魚の匂いがまだしている。
丁寧に洗顔をし、髪にはオイルを使うようにする。
長風呂をして豆乳を飲む。
バンドエイドを貼り、厚手の靴下を履く。
職場ではマスクをして水分補給をし、咳止めを飲む。
明日は晴れるらしいので一気に洗濯をする。
洗い物はラジオを聞きながら済ませる。
表面上は、これで解決。

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久しぶりに“ちょうどよい鬼畜”Aさんとごはんを食べた。
ずっと断り続けていたが、めげないAさんにありがたく根負けした。
●●●の話をしたら、興奮していた。わたしが他の人としていると「いい」らしい。Aさんとわたしは、していないのだけど。
「連絡がないってことは、もう会いたくないってことかな」「いや、良いと思っていても、ぐいぐい来ない奴は来ないよ」「そういうもの?」「そうだと思う」。
「その人、何歳?」「46歳かな」「まぁ、個人差あれど、気分で勃つような年齢じゃないから、気持ちはあったと思うよ」「なるほど」。コーヒー飲みながら川沿いを散歩。
「サキちゃん、キスしてもいい?」「ほっぺなら」「わーい」。
「なるべく長く仲良くしていたいね 」「仲が悪くなる要素ないでしょう」。“妙な安心感がある鬼畜”Aさん。

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家を出たところで、べろべろに酔っぱらった■■■さんがいた。
「あ、■■■だ」とは口に出さなかったが、顔に出たのだろう。
「お茶でも飲みに行くか」と唐突に言われた。
「これから実家に帰るので、すみません。またお会いできたら行きます。よくお見かけするし」「わかった。気を付けて」。
めちゃくちゃナチュラルな会話だった。

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