北関東に引っ越すことにした、とMさんから連絡があった。

もともと映画関係の仕事をしていたがあまりうまくいかず、どうしたものか~という近況は聞いていた。

実家が持ってる一軒家に、しばらく住んでみることにしたという。

「サキちゃん、いま付き合っている人はいるの?」

「いると言ったらどうなるんですか。いないと言ったらどうなるんですか」

「いると言ったら粛々と引っ越し準備をし、いないと言ったら、6部屋くらいあるから、いつでも転がり込んでおいで~好き~って勧誘する」。

ひたすら、ありがたいな、と思う。

 

***

 

東京に住む、ということについて、ずっと考えている。

Mさんは東京にいながら、文化的なことをしていない後ろめたさを感じているようだった。

その感覚は、とてもよく分かる。

 

***

 

自分のパーフェクトワールドを想像する。他力本願なことばかり。