空港に両親を迎えに行った。
なんとなく、●●●と会えそうな気がして、そわそわ。それどころじゃないのに。
スターバックスのコーヒーフラペチーノを飲んで待った。
しばらくして、到着口からモテ男Hが現れた。なんでだよ。
うしろから肩を叩き、「こんなことってある?」と声を掛ける。「……ないよね」。
タイに移住した友達に会いに行っていたらしい。事情を話して、いろいろ親切にしてもらった。
「運命なんじゃないの、やっぱり」「そうかもね」

「結婚する?エロいことする?」「……考えておきます」

「なんかあったらすぐ連絡して」「うん、どうもありがとう」。

 
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友人に恋人が出来た。(ちゃんとした恋人は)5年ぶりだという。
近くに来たからと、仕事場に寄ってくれた。
友人の恋人の、わたしへの距離感が絶妙だった。
近すぎず、遠すぎず(でも、これからの関係を感じさせてくれるくらい)。
多分、めちゃくちゃ普通の人なんだろう。これがスタンダードな、恋人の友人への接し方、なんだろう。
自分がこういうタイプと恋愛できる日が来るとは到底思えず、小さく絶望した。
友人「サキは救いようのない変態だって話してあるよ」。
 
わたしの過去の恋人たちを思う。
軽く挨拶をしたあと(ここまでは普通)、別れるときに「これからセックスしまーす!」と大声で言い、わたしにディープキスをした男や、
「サキのどこが好きですか?」と聞かれて「セックス。めちゃくちゃかわいい。」と即答する男。
(これは本当に嬉しいからわたし的にはありなのだが、友人との距離感としてはやばい)

ちょっと変わった女の子からマジでやべぇ女になって、やべぇ男としか付き合っていない自分を俯瞰して、縦に引き裂いた。