すぐに色落ちすると分かっていてもピンクがかった髪色、気分がいい。来月またピンクを重ねて入れてもらおう。

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理想郷と現実沼を行ったり来たりしている。
理想郷に住んでいるTさんのお家に久しぶりに遊びに行った。
髪色を褒めてくれて嬉しい。「お、いいじゃんいいじゃん、かわいい。結構思い切ったね」。
餃子を包みながら東出昌大の不倫について話をし、焼きながら世田谷一家殺害事件について話をし、
食べながらTさんはビールを飲み、わたしは辛口のジンジャーエールを飲んだ。
Tさんが洗い物をしている間にわたしはお風呂を洗いに行く。
蛇口とシャワーを間違えてびしょ濡れになったので、このままシャワーを浴びることにした。

なかなか戻ってこないのを心配して覗きに来たTさん、わたしが裸だったのを見て、何も言わずにそのままお風呂場に入ってきた。
「蛇口とシャワー間違えちゃって……あ、ちょっと、服濡れちゃうよ」「うん、大丈夫」と言いながら、手はもうわたしの腰を捕まえていて、顔は目の前にあった。