セックスをして、心底安心した。たとえわたしから襲ったとしても、Kさんの性的対象にはなれたと実感できたから。
「相性がいい」ということがどういうことなのか、昔からピンときていなかった。
歴代の恋人に言われるたびにどういうこと?と聞き続けてきたが、Kさんに「サキちゃんも俺もドスケベだってこと」と説明され、初めて納得した。
物理的な身体の相性ということではなくて、セックスに対する考え方が合うということなんだろう。
トイレに行って鏡を見たら、あからさまに女の顔をした自分がいて、この分かりやすさは自分でもどうかと思う。

「ずっとずっと舐めていたい」「気が狂うまでやりまくりたい」「これから一人でするときはなるべくわたしのことを思ってほしい、AVは見てもいいけどわたしの顔や身体をうまいことオーバーラップさせてほしい」
「そんなこと初めて言われたわ」「今日でサキちゃんの身体とか声とか覚えたから、出来ると思うよ」。
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この先も一緒にいられるだろうか。誰にも分からないことで不安になるのは嫌だけれど、Kさんがわたしをぎゅうぎゅう抱きしめながら「こんなに面白い子、俺から手放すわけないよ」と言ってくれたので、ポロポロ泣いてしまった。