体力はないが生命力はある。子どもみたいだ。

痛みには強いがダルさには弱い。動物みたいだ。

体調不良の中、本社へ行き昇進面接を受けた。こういうときのわたしは本当に信用ならない。体調不良だとは誰も気づかなかったと思う。そして無事合格した。


体調が徐々に良くなっていくときの、異常な万能感は何だろう。すっきり痩せて、部屋のものも減らし、無駄遣いもせず、毎食自炊している自分が浮かぶ。可愛くなって世界征服する、というずっと持ち続けている夢が叶うような気がしてくるのだ。実際には、食べられるものだけを食べているから変な太り方浮腫み方をしているし、出したものをしまう体力はなく物は散乱、とりあえずと買った冷えピタやポカリ、うどんが冷蔵庫いっぱいに入っている。絶望だ。

Kさんは家に来て仕事をしつつ看病めいたことをしてくれた。基本的には真っ暗にして眠りたいので、そこが懸念事項だけど、一緒に暮らしたら別の部屋にいられるだろうし、何とかお風呂に入れた日には裸のわたしを大きなタオルで包んで拭いてくれ、飲み物を差し出してくれ、半袖がいいと言えば半袖を、長ズボンがいいと言えば長ズボンを履かせてくれた。アイスノンも常に交換してくれたし、「こういうときはなぜかハムサンドだけは食べられるんや」と教えてくれた。実際食べられた。

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Kさんがちょっとおしゃれな媒体の取材を受けるというので、久しぶりにスタイリングめいたことをした。女性のカメラマンに「とても可愛い!」と褒めてもらったらしい。エアリズムのカーディガンは、暑がりのKさんにちょうどいい。きっと真冬になるまで着るだろうし、もう1枚、買い足してもいいかもしれない。