「行かなかった旅行も思い出になるじゃないですか」と言ったのは、ドラマ『カルテット』の松田龍平だったろうか。高橋一生だったろうか。

しなかったセックスや頼まなかったメニュー、乗らなかった電車。そこにいなかったあの人。

そういうことを思い出にして、進んでいくしかないのだろうと思う。

ずいぶん前の話になるが、元恋人の結婚相手が第二子を授かったとニュースで取り上げられていた。
このニュースに少なからずショックを受けたのは「二人がうまくいっているらしい」ということに対してだろうか。
お金の心配がない生活がうらやましいのだろうか。
二人ともどんどん不幸になって欲しいという気持ちはずっと変わらずだし、今後無関心になることもないだろう。それは未練があるということとは全く違うのだが、なかなか分かってもらえない。
ネット記事のコメント欄(やけにリアルで笑った)を読んで、留飲を下げた。

 

Kさんとの生活は、どこまでも続きそうに思える。お金の不安は付きまとうけれど、関係性の不安が付きまとうより何百倍もいいような気がする。気がするだけかもしれないけれど。

冷蔵庫と電子レンジ、ベッドとタワー式の本棚以外、ガス台、Kさんの机、食卓兼作業台、棚などは新たに買った。

段ボールはまだまだ出っぱなしだし、押し入れの中もひどい有り様だが、職場まで徒歩圏内なのは変わらずで、日当たりと風通しが良いことに救われている。


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人間ドックに行ったら、同姓同名の人がいたらしく、各所各所で生年月日を言わされ続けた。

腎臓がきれいだと褒められたのはとても意外だった。わたしの体に綺麗なところなんてないと思っていたから。