「馬鹿はこってりに集まりますよね」(ラーメンの話)
GPSをつけられてからが束縛です」(恋愛の話)
以上が最近の学び。


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美容院へ行った。毎回新鮮な気持ちでさっぱりする。
わたしにもう少し何らかの素養があったら、限界まで伸ばしてばっさり切り、切った瞬間のしびれるような快感を得ようとしただろう。
今回も案の定切りすぎてしまい、またセックスから遠のいた気がして落ち込んだ。
Kさんに慰めてくれ、とラインをした。「やれるときはやれます」って、慰めなのかなんなのか。


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友人が生配信で、わたしの睡眠のとり方(ちょっと変)について話してくれたのだが、完全にその場の流れだったにもかかわらず、少々のフェイクを混ぜながら、わたしだと特定できないようにしていて、たいそう感心した。プロだなぁ……。


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Tさんのリクエストでサンドイッチを作り、それを持って公園へ。
コンビニでコーヒーとハッシュポテト、アメリカンドックを買い、ベンチで食べた。
「セックス以外のときに、あんまりこういうことを言うのはあれなんだけど、幸せだなぁ」と呟いたので笑ってしまう。
「セックス以外のときに幸せ感じたっていいでしょうよ」
「いや、そうなんだけど。セックスも楽しくて、こういうことも楽しくて、って最強なんだよな」
「それについては同意です」。

最近のこと。

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深夜2時半、Kさんから「夜を生きていますか?」というラインが来た。
嬉しくて「生きてます!!!!」と返信。めちゃくちゃ生きているみたいでなんだか恥ずかしい。
馬鹿はこってりに集まるよね(ラーメン)とか、色気のないやり取り。
SNSやイベントでのファンへの対応を見る限り、距離感のきっちりしている人だなぁと思っていたが、実際もそうだった。余白を与えない人、という印象。
少なくともラインをくれるのだから嫌われてはないと思うが、好かれているかというとそうでもないだろう。
Kさんはとても優しい。きっとわたし以外にも優しいのだろう。そのことに傷つかないくらいにはわたしも大人になったし、優しくないことに価値なんてないということも知っている。


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仕事の行き詰まり方がやばくて、身体が男の欲情に救われたがっている。ビッチになりきれない自分が恨めしい。

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ピロリ菌の再検査へ行った。
試験管にストローを差し込んで、10秒間息を吐いた。看護師さんがその息を逃さないように素早く蓋をする。試験管には【前】と書いてあった。薬を飲んで5分きっかり横になったあと縦になり5分、【後】の試験管に息を吐く。
結果は一週間後。
絶食状態で息を吐いてお金を払って、詐欺に遭ったような気持ちになった。

ほとんどお酒を飲まないので、酔っ払うこともほとんどない。
なので酔っ払ってやらかした次の日の気持ちなど、知らないまま生きてきた。
BさんとKさんと会って、楽しく過ごした。
家から遠めの場所だったため、お酒は飲まないつもりだったが、オーダーがうまく通っていなかったのか、ノンアル飲料でも合成物質にアレルギーが出て酔っ払ったようになってしまうわたしの体質か、ふたりが心配するような潰れ方をしてしまった。

夜の街で、ピアスと記憶をなくした。

酔っ払った次の日、こんなに間が持たないタイプのさみしさが襲ってくるなんて知らなかった。
初めての感情に、興奮している。
身体はだるいが酔いは覚めている。猛烈にセックスがしたくなったが相手がいない。そのことにまた興奮して、布団にくるまって極限まで小さくなったり大きくなったりしたまま再びの夜を迎えた。

久しぶりに明晰夢を見た。
いつもならそれを楽しむのだが、ぐっすり眠りたかったのでどうしたものかと考えた。
明晰夢変換所】というパチンコの換金所のようなところを自分で設定し、そこへ訪れる。「あの、後日に変換できますか」と透明の小さなケースに入った“なにか”と会員証を差し出した。変換には料金はかからないが、記録を残すのがルールのようだ。
帰り道、すっと意識が飛んで、たぶん、深い眠りに落ちた。
翌朝。「わたし、寝言すごかった?」「いや、全然」。


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Bさんからご飯のお誘いがあった。いま会ったら死ぬほど甘えてしまうな、家に来ませんかとか口走ってしまう、なんならキスを受け入れてしまうな、という危険を感じて、Kさんも誘ってみませんか、と返信をした。

KさんはBさんの仕事相手であり、たまたまわたしと共通の友人もいる。
Bさんは、すぐにKさんに連絡を取ってくれた。「二人きりがいい」なんてことは絶対言わないのだ。勝手だが、それが寂しくもあり、ありがたくもある。

数学のできる犬ことMくんとは、長い付き合いになるという確信があった。
しかしそれはわたしだけものだったようで、しばらく連絡がなく落ち込んでいた。
「毎日サキさんのことを考えていました」とラインが来たのは昨日、最後に会って一ヶ月ほど経っている。
「仕事が手につかなくなるくらいハマるのが目に見えていたので怖かった」「でも結局、連絡を取らなくても手につかなかった」。
「わたしも毎日考えていたよ」と返信。
「サキさんを思って1日に7回しちゃった日があった」というのには大笑いしてしまったな(わたしとMくんはしていない)。



過日、Mくんはわたしにある秘密を告白した。その日から馬鹿みたいによく眠れるようになったんです、と言っていたので、眠るように死んだということにしていたのだ。
死人からのラインでも、嬉しいことがある。親しい人が死んだら、化けて出て欲しいように。



セックスが全てだと思っているのに、セックスばかりを求められると傷つくのはなんでだろう。
Mくんのわたしへの興味は完全にそれで、それのどこがいけないのだろうか。

わたしは長い目で自分を見る、ということをしてこなかったな。
それは、つま先を綺麗にのばす、より多く回転する、脚を高く上げる、ダンスにそういう技術を求めず「いまの自分の踊り」にしか興味がなかったことに、何となく似ている。

すぐに見たくなってしまう、すぐに欲しくなってしまう。白か黒か知りたくなってしまう。即断しかできない。

「来たらすぐいる?」(押尾学)だな。違うけど。
いつか想像した未来なんてないから、こんなはずじゃなかったとも思わない。気が狂いそうになったら眠る、を繰り返してきただけだ。
それだけで40年が経つのだから、生きるには長いし、いますぐ死ぬには短いのかもしれない。
人の歴史ごと愛したりするくせに、自分には今しかないと思うのは、我ながら傲慢だと思う。
絵の具が乾くのを待っていられなかったように、死を待てなくなるのだろうか。


小雨が降った日、いつもの猫がいつもの場所にいなかった。
「あの猫はこの小雨を知っている」そう思ったらなんだか涙が出た。

そういうことだ。


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Tさんと夜の散歩に行った。急にムラっとして甘えたくなって、自分のおっぱいにTさんの腕を挟むように絡みつかせた。
こういうときのTさんの瞬発力はすごい。すぐに路地裏に引き込まれ、抱きすくめられてキスされた。ギリギリ捕まらないであろうところまでで退散、すぐに帰宅し、玄関先でめいっぱい犯された。
わたしが「甘えたいだけ」ならこういうことはしない。違いの分かる男だなぁと、うっとりする。

「ブルータス、お前もか」「ごん、お前だったのか」よろしく『沼はわたしだったのか』という気付きがあったオンライン飲み会。

“その人は普通の人生を選んだんでしょう” “電車の扉が閉まる直前に降りて行ったんだな” なんて言われて、心当たりしかなくて発狂して正気になりそう、よく眠れそう。