しばらくはKさんに会えないと思っていたが、お昼ご飯を一緒に食べることができた。
無理させているような気がしていたけれど、そんなことない、と思わせてくれてありがとう。
ラーメンを食べて散歩して、ミルクセーキを飲んだ。
二人きりになるタイミングがなくて、手をつなぐことと二の腕に顔をこすりつけることしかできない。
帰りの駅までの道すがら「寂しい泣いちゃう大好き」と言うと、ふざけた声色で「俺も俺も~」と手をぎゅぎゅっと握ってくれた。
Kさんとわたしが裸で抱き合える日はいつになるだろう。
そもそもKさんにその欲望があるように見えないのが今の悩み。
「Kさんとわたし、ちょうどいいと思わないかい」
「すごい自信だな」
「サキがいるから大丈夫、って思ってもらえるようになりたい」
「もうそこそこ思ってるよ」
「そこそこかよ」。


***


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特に誰にも知らせず、公表もせず、ちまちま書いている日記にたどり着いてくださって嬉しいです。

 

Kさんと会えた。
カレーを食べて散歩して本屋さんへ行って散歩してホームセンターへ行って公園でぼんやりしてお茶して散歩して100均に行ってしゃぶしゃぶを食べた。
しゃぶしゃぶを食べながらした話の中で「こいつにはかなわない」と思ったらしい。
わたしはそれのどこが「かなわない」のか、分からなかった。
帰りのエレベーターでハグをしてキスをしてくれた。Kさんからアクションがあったのは初めてだったのではないか。
「サキちゃん、速攻舌を入れてこようとしてこいつやってんな、と思ったわ」「わたしはチャンスを逃さない女です」。
嬉しくて嬉しくて、駅まで歩く間ずっと「えへへへっへへへへへ」と笑っていたら「ヤバい奴を連れているみたいだからやめなさい」と言われた。
これは母にもよく言われることで、わたしはすぐにこうなってしまう。

一番嬉しかったのは、お母さんの話をしてくれたこと。
わたしはあなたの友達だし恋人だし母だし、という気持ちでいるよ。
まだ伝えるのは早いだろうと思いつつ、次に会ったら言ってしまうかもしれないな。

有給消化の期限が近づいていて、久しぶりに連休だった。
オンラインお茶会をしたり、ファミレスへ行ったり、病院へ行ったり、映画を見に行ったりした。本もたくさん読めた。
Kさんと過ごす時間以外もきちんと充実していて、彼のことを本当に信用しているなと感じる。「サキちゃんが浮気しても戻ってきてくれればいいよ」と言うけれど、想像がつかない。

Kさんがうちに来た。
わたしの作ったご飯を「おいしい、全部おいしい」と言ってもりもり食べてくれた。3合炊いたご飯もなくなりかけた。
わたしに触れもせず、食後のコーヒーを飲んで帰ろうとするので、背中越しに「ハグぐらいさせてよ」と声を掛ける。振り向きもせず「お好きにどうぞ」と言うのでシマウマを襲うライオンみたいに後ろからがっつり抱き着いた。
駅まで手をつないで歩く。ちょうどわたしの頭らへんにある二の腕に顔をこすりつける。マーキングの気持ちでやっていたら「犬やん」と笑われた。バレてる。

Kさんがわたしを「サキちゃん」と呼ぶ練習をし始めた。ラインでそう呼ばれる(打たれる)だけでキュンキュンする。
わたしが友人と会った帰り道とKさんの仕事帰りの時間が合ったので、お互い歩きながら電話をする。
たどたどしく「サキちゃん」と呼ばれて道でうずくまるほどに嬉しかった。人は感情がマックスになると、身体を変形させる。
わたしたちはなぜ一緒の部屋に帰らないのだろう、と自然に思っていて少し怖くなる。じわじわ自分の狂気がにじみ出てきたな。

「信頼しているし不安はない、自信もある」と面と向かって人に言ったのは初めてだった。それも、こう言うことで牽制したりプレッシャーを与えるなどの意味はまったくなく、自分の気持ちを言葉にした結果だ。
こんなことがあるんだな、と不思議に思う。
わたしとKさんはこれからもきっと大丈夫。
望むとすれば「わたしの名前をちゃんと呼んで身体を触って」ということだけだ。

全身麻酔で手術を受けた。
あとから聞いたところ「麻酔おもろ~この感じを文章にするのはなかなか難しそうですね~はははは~」と笑っていたらしい。まったく覚えていない。
看護婦さんが「いろいろ考えずに眠りに入ることってなかなかないですから、貴重ですよね」と言っていて、あぁなるほどなぁ。
術後、痛み止めの点滴が必須だと言われていたがまったく痛くない旨伝えると「はぁ?」という顔をされた。

誰にもこの手術の件を話していない。
最近毎日やり取りをしているKさんにも話していない。
麻酔から目覚めなかったらどうするつもりだったんだろう。

***

Kさんが「君のことを友達に話したよ」と言う。
わたしが犬ならうれションしてる。
なんて話したのかは教えてくれなかった。