2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに(枡野浩一)という気持ちが限界まで達したので、都内のちょっといいホテルを予約した。自分で前髪を切った。おでんのたまごを2つ食べた。乾かないと分かっていて洗濯をした。シャイニングの双…

希死念慮がない人がいると知ったときはたいそう驚いた。「眠い」みたいな感覚と一緒で、もれなく欲求としてあるものだと思っていたからだ。しかし世の中には眠気を感じたことのない人もいるはずで、そう考えて納得した。「死にたい」は「生きたい」なんだよ…

Oさんと会った。珍しくわたしの仕事が先に終わったのでホテルのラウンジ(超好き)で待つことにした。Oさんは「まーたサキちゃんはホテルにいる」と誤解を招きそうなことを言いながらやってきた。「中華かエスニックが食べたい、雑な感じの」というわたし…

『テネット』のこと、『催眠と不在証明』のこと、ボタンを押す30秒前から録画が始まるという最新のカメラのことを考えていた。わたしはこの世に存在するのだろうか、なんて一瞬思うも、家賃、電気ガス水道代、各種欲望の代償金を支払って、物体としての自分…

「群像」に掲載されていた、漆原正貴『催眠と不在証明』が、自分でもびっくりするほどツボだった。いつもならスルーしそうなタイトルだが、よく行っているカフェに置いてあり、付箋が貼られていたので読んでみたのだった。何がツボだったのか、とても説明が…

ただでさえ「調べるし覚えている」。だから相手がわたしのことを調べておらず覚えてもいないと、心底傷ついてしまう。え、わたしの名前で検索しないの?画像検索しないの?念の為、フェイスブックで既婚かどうか確認しないの?こないだ話の中で〇〇って本を…

愛ではなかった欲だった それに気づいて去っていく男を見送るセブンイレブン(犬端サキ) 久しぶりに短歌ができてしまいました。

お互い様だということをついつい忘れてしまう。自分の価値を他人に丸投げして、査定を待つばかり。わたしだって誰かに対してしてきたことなのに、渦中にいるとそのことを忘れて堂々と悲劇のヒロインになってしまう。そのことに気づかせてもらって、だいぶ楽…

久しぶりにミスタードーナツを食べたくなってミスタードーナツを買った。分かりやすく胃もたれを起こし、自業自得の手本のようだと思ってちょっと誇らしくなったのち、身体を丸めた。 *** 今まで、出会って間もないのに自分の話が多めの人に対して「この…

Mくんは「数学のできる犬」だ。理系男子と仲良くなれたのは珍しく、次に会ったら『テネット』を解説してもらうのが楽しみ。初めて会ったときはサカイのスウェットを着て、マルニの靴を履いていたので「服飾費のかかる犬だね」と言った。「ワインも嗜みます…

別部署同い年既婚男子の奥さんと話す機会があった。「Sさんが家に帰るとあの人がいて、同じ冷蔵庫を開けたり閉めたりしているんだね」と同僚に話したら「犬端さんの気持ち悪いところが出ましたね」と真顔で言われた。 *** イレギュラーで担当していた仕…