希死念慮がない人がいると知ったときはたいそう驚いた。
「眠い」みたいな感覚と一緒で、もれなく欲求としてあるものだと思っていたからだ。
しかし世の中には眠気を感じたことのない人もいるはずで、そう考えて納得した。
「死にたい」は「生きたい」なんだよ、なんてはにかみながら言われてもまったくピンと来ない。
「死にたいって言ってるやん」と思うだけだ。

自虐の時代は終わったとしみじみ感じているのに予防線を張ってばかりいる自分はダサいし、毎日死にたいと思っている自分もダサい。
毎日眠気を感じているわたしが、なんだか可哀想に見えるのと同じように。

自殺率の上昇のニュースを見るたびに、首後ろにべったりと血がついているような感覚に襲われている。生きて会いましょうもありだけれど、死んで会いましょう、もありだよねとずっとずっと、思っている。