あなたもロボットになれる

しにたいと言われたとき、なんと答えるか。
だいたい決まっている。「しなないでいてくれると、わたしが助かる」。
知っている地獄よりも知らない天国を選ぶ人もいるし、その逆の人もいるだけ。
知らない天国は、どんなところだろう。いま知っている地獄よりも楽だろうか。

昨日見た舞台に、とある小説家が来ていたのだが、開演前は長い髪を上のほうでお団子にしていて、始まる前にはちゃんとおろしていた。後ろに座っている人の邪魔にならないようにだろう。ああいう小説を書く人が、こういう人で良かった。
リハーサルをタダで見にきて、暗闇で発光するワッペンのついたキャップをかぶったままふんぞり返っている役者もいるくらいだし、やっぱりこの世はちょこちょこ地獄というのは間違いないのだ。その役者がテレビに映るたびに、楽ではない地獄に落ちることを祈っている。