女5人で、帝国ホテルのアフタヌーンティーへ。
女の人しかいない、小麦粉ばかりの国。
常連らしきおばさまたちは一様に、グレーベージュの艶ありダウンコートを着ていた。制服みたいにみんな同じ。
見渡す限り“ショートカット”と分類されるのはわたしだけで、真っ赤な靴下を履いているのもわたしだけだった。自分が選んだことだから、落ち込みはしないけれど「あぁそういうことだよね」とは思う。
旦那の話、子どもの話、好きな人の話、好きだった人の話を聞いたりしながら、わたしは紅茶をたくさん飲んだ。

この中で愛の都合がついていないのは、わたしだけなのではないか。