なかなかオチがつかない。
一番面白い結末は●●だけれど、このままではたどり着ける気がしない。
名前を呼んでほしい。それだけでも叶えてくれたら、ずいぶん違っただろう。
「そういう習慣がない」というのは本当だと思うけれど、あのときわたしは心底ガッカリしたし悲しかったのだ。
「サキちゃん」「サキ」。どんなに乱暴でも、どんなに小さな声でもいい、彼の口が発してくれていたら、人生がガラリと変わったかもしれないなと思う。

「あたしの名前をちゃんと呼んで身体を触って必要なのは是だけ認めて」。

もう会えないかもしれないあなたが、わたしの身体に触れた、それが世界のはじまりとおわり。