「自分の裸の写真でオナニーしちゃった」と友人からメールが来た。
自家発電的でいいな、と思った。
わたしには到底無理なことだ。そもそも写真に撮られることが苦手。

でも、アイフォンのカメラロールを遡って見てみると元恋人が撮ってくれた写真がたくさんある。
彼に撮ってもらえれば、可愛くなくてもいいと思えていたからだろう。
温泉旅館での浴衣姿のわたしは、すごくいやらしくてすごくいい。決して可愛く撮れているわけではないのだけど(可愛さが角度ならば、それは自撮りにはかなわないので)、
この人に可愛いと思われたい、この人は可愛いと思ってくれているはず、という発展途上の幸せな相思相愛が写っている。

わたしが撮った彼の写真も、すこぶる良い。
柴犬みたいな彼のことをわたしは「ポチ」と呼ぶことがあった。ちゃんと「ワン!」と返事をしてくれていた。わしゃわしゃと頭を撫でると、うれしそうにひっくり返ってお腹を見せてくれていた。
そんな彼に「ねぇポチ、スーパーに行ってる飼い主を入口で待っているときの顔して」とお題を出した時の写真が、特に最高。ポチ愛してる。

こんな写真は、わたしにしか撮れない。あなたにしか撮れない。でも、さようなら。