たまらなくセックスがしたいのは、暴力を受けたいのは、身体の輪郭がぼやけているときだ。
本当は、全部混ざってどろどろにぐちゃぐちゃになって、どちらがどちらか分からなくなってしまいたい。
でもどうやったって、ひとつになることは叶うことがない。
そのことを実感して絶望して、輪郭を手に入れるために、セックスがしたい、暴力を受けたい。
「病院行くよりセックスしたい」、わたしのスローガンだ。 

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「ギドクの映画のセックスってどんなイメージ?」
「一言も交わさないし乾き切ってるんだけど、めちゃくちゃエロい。合法的な暴力だけどSMではないっていうイメージ」
「なるほど…サキはこういうことをちゃんと言葉にしてくれるよね」
「そう?」
「身体の人過ぎる、と思うこともあるけど、言葉の人過ぎる、と思うこともある」
「なんにせよ過ぎるのは良くないのでは…?」
「なんせよ過剰、サキには、説得力っていうか、切実さがある」。