美容院に行った。
開け放たれた窓から光が差し込んで、鏡の中の顔、現実感がすごい。

自分で染めた色を「あんまり褒めるのもどうかと思いますが…すごくいいです。ムラもなくて上手だし色も可愛い。何でどうやったんですか?」と言われて笑う。
「ラベンダーグレージュの泡カラーで染めて、ピンクシャンプーでピンク色を育ててました」
「なるほど」。

「犬端さん、久しぶりにわたしに髪を洗われてどうですか」
「(メンヘラ彼女みたいなこと言ってんな)とても良い気持ちです」。

胸あたりまでの髪をショートにするという大学生がいて、仕上がるまで居座りたかったがそうもいかず。
バッサリ切ることにした理由、特にあってもなくても、傍らにいたかった。
担当していた店長が、あれこれ楽しそうに提案している横で、わたしもあーだこーだ言いたかった。
この感情はなんだろうか。

Tさんと待ち合わせをして散歩する。
「Tさん、久しぶりのメイクをしているわたしはどうですか」と、美容師さんの口調を真似て聞いてみる。
「かわいいよ。アイライン、たれ目っぽくしてるの?ちょっとエロいね」。
セブンイレブンでアイスコーヒーを買い、誰もいない小さな小さな公園のベンチに座ってぼんやりする。
帰宅してシャワーを浴びる。下着をつける時間もなく、セックスをした。
好きな人とするセックスを考えた人は誰ですか。本当にありがとうございます。