じっとりじとじとしていることでお馴染みのわたしの愛。
近しい友人に「普段の佇まいとか風情からは想像つかないだろうね」と言われ、ひどく動揺した。
「わたしでさえ、まさかそこまで思ってくれてるなんて、とびっくりすることがある」「仕事の付き合いともなると、サキほどの人がわたしに興味ないだろうと思いそう」。
“サキほどの人が”というのはこの友人の贔屓目だとしても、じっとりしていることを悟られたくなくて、クールに振舞いがちだという自覚がある。
実際は、恋愛に限らずどの関係性においても心中を前提にしているので、いつも自殺を考えるほどの失恋をすることになるのだ。

Tさんも「確かに最初はクールな子なのかなぁと思っていた、そして今も割と思っている」と言う。
そうか、心中を決めるまではクールなのかもしれないな。
それはわたしがいつでも転校生で、いつかは離れる関係性の中で生きてきて、いまやっと「自分の意志でこの先も一緒にいられる、もしくは交流が続けられるかもしれない」環境と年齢になったからかもしれない。